【労務】2016年4月以降の年金・医療・福祉等の制度変更について |
平成28年4月から実施される厚生労働省関係の主な制度変更のうち、特に国民生活に影響を与える年金、医療、子ども・子育て、福祉、雇用・労働及び各種手当等についての概要が一覧で厚生労働省のホームページに公表されています。
■4月1日から実施される主な制度変更の概要
◎年金関係
項 目 |
内 容 |
平成28年度の国民年金保険料 |
・平成 28年度の国民年金保険料額は 16,260 円 (平成27年度15,590→平成28年度16,260円) ※法律に規定されている平成28年度の保険料額16,660円(平成16年度価格)に、平成16年度以降の物価や賃金の変動を反映した率(0.976)を乗じることにより、16,260円となる。 |
平成28年度の年金額改定 |
・平成28年度の年金額は、平成27年度から据え置き (老齢基礎年金(満額):月65,008円)。 ※年金額(年額)の端数処理が変更になったため、月額で数円の増減が生じる。 ※実施は、平成28年4月1日(6月支払い分から) |
◎医療関係
項 目 |
内 容 |
診療報酬改定 |
・平成28年度診療報酬改定については、物価・賃金の動向や医療機関の経営状況等を踏まえ、診療報酬本体0.49%のプラス改定としたところ。 ・2025年度に向けて、地域包括ケアシステムの構築と質が高く効率的な医療提供体制の構築に取り組むこととしている。 |
紹介状なしの大病院受診時定額負担の導入 |
・保険医療機関相互間の機能の分担及び業務の連携の更なる推進のため、特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院については、紹介状なしで受診した患者に対し、定額の徴収を責務とする。 ・定額負担の金額は、 ・初診については5,000円(歯科は3,000円) ・再診については2,500円(歯科は1,500円) を最低金額とし、医療機関が個別に設定することとする。 |
患者申出療養の創設 |
・国内未承認の医薬品等を迅速に保険外併用療養として使用したいという患者の思いに応えるため、患者からの申出を起点とする新たな保険外併用療養の仕組みとして創設。 |
入院時の食費の負担額の見直し |
・入院時の食費の負担額について、これまでの食材費相当額に加え、新たに調理費相当額の負担を求めることとした。 ・負担額は、制度変更前は1食あたり260円であったところ、平成28年4月から1食あたり360円、平成30年4月から1食あたり460円に引き上げる。 ・ただし、住民税非課税世帯や指定難病、小児慢性特定疾病の患者などの負担額は据え置かれる。 |
被用者保険の標準報酬月額上限の引上げ |
・健康保険及び船員保険の標準報酬月額の上限を47等級(121万円)から50等級(139万円)に引き上げる。 ・併せて、標準賞与額の年間上限を540万円から573万円に引き上げ。 |
後期高齢者医療の保険料率の改定 |
・各都道府県の後期高齢者医療広域連合において2年ごとに保険料率を改定。 |
国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額の見直し |
・国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について、85万円から89万円に引き上げる。(平成28年度分の保険料(税)から実施) |
◎子ども・子育て関係
項 目 |
内 容 |
届出対象となる1日に保育する乳幼児の数の変更 |
・これまでは1日に保育する乳幼児の数が6人以上の認可外保育施設や認可外の訪問型保育事業(ベビーシッター事業)を行う場合に、原則、届出が必要でしたが、平成28年4月以降は1日に保育する乳幼児の数が1人以上の場合に、届出が必要となります。(ただし、臨時に設置される場合等は除きます。) |
◎福祉関係
項 目 |
内 容 |
社会福祉法等の一部を改正する法律の施行(社会福祉法関係) |
・社会福祉法人の地域における公益的な取組を実施する責務を規定 ・社会福祉法人の役員等関係者への特別の利益供与の禁止 ・社会福祉法人の閲覧対象書類の拡大、閲覧請求者の国民一般への拡大 等 |
社会福祉法等の一部を改正する法律の施行(社会福祉施設職員等退職手当共済法関係) |
・支給乗率を長期加入者に配慮したものに見直す ・一度退職し、その後再就職した場合、前後の共済加入期間を合算できる期間を「2年以内」から「3年以内」に拡充 ・障害者総合支援法等に関する施設・事業に対する公費助成を廃止 |
◎雇用・労働関係
項 目 |
内 容 |
改正雇用保険法の一部施行 |
・雇用保険料率(失業等給付)を、従前の1.0%から0.8%に引き下げ。 |
改正障害者雇用促進法の一部施行 |
・全ての事業主を対象に募集・採用など雇用に関するあらゆる局面で障害者に対する差別の禁止をする。また、障害者一人一人の状態や職場の状況などに応じて合理的配慮の提供が求められる。 |
職業能力開発促進法の一部施行等 |
・職業選択・職業生活設計や能力開発に関する相談に応じ指導・助言を行う専門家である「キャリアコンサルタント」の登録制度を創設する。 |
女性活躍推進法の全面施行 |
・常時雇用する労働者の数が301人以上の一般事業主は、行動計画の策定・届出や情報公表等が義務付けられる。 |
平成28年4月からの労働者災害補償保険法に基づく介護(補償)給付及び炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則に基づく介護料の最高限度額及び最低補償額 |
・下記の給付等の最高限度額及び最低補償額について、平成28年4月から引き上げ、区分に応じ、以下の額とする。 1 労働者災害補償保険法に基づく介護(補償)給付 ・最高限度額:介護を要する程度による区分に応じて 月額104,950円、57,030円 ・最低保障額:介護を要する程度による区分に応じて 月額52,480円、28,520円 2 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則に基づく介護料 ・最高限度額:監視及び介助を要する程度による区分に応じて 月額104,950円、78,710円、52,480円 ・最低保障額:監視及び介助を要する程度による区分に応じて 月額57,030円、42,770円、28,520円 |
◎各種手当・手数料関係
項 目 |
内 容 |
平成28年4月から平成29年3月の児童扶養手当等の手当額 |
・下記の各手当等について、平成28年4月から平成29年3月までの額は0.8%の引上げ(平成27年4月比)となる。 1.児童扶養手当 2.特別児童扶養手当及び特別障害者手当等 3.医療特別手当(原爆関係のその他手当含む) 4.特別障害給付金 5.予防接種による健康被害救済給付関係の手当 6.新型インフルエンザ予防接種による健康被害救済給付関係の手当 7.副作用被害救済給付関係 8.ハンセン病療養所非入所者給与金 等 |
参照ホームページ[厚生労働省] http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118614.html