2025年度の介護福祉士国家試験から、「パート合格」の制度が導入されることが厚生労働省より正式に通知されました。
試験を3つのパートに分割し、一定の基準を満たしたパートについては、続く2年間の試験でそのパートの受験が免除される仕組みです。
制度導入の背景と目的
高齢化の進行に伴い、介護人材の確保は急務の課題とされています。特に2040年度までに、新たに約257万人の介護職員が必要と見込まれています。
その一方で、国家試験の受験者数は減少傾向にあり、学習負担の軽減や受験機会の拡大が課題となっていました。
今回導入される「パート合格制度」は、一度の試験ですべてのパートに合格する必要をなくし、一部パートに合格した場合には、その成績を続く2年間持ち越せる仕組みです。これにより、受験者が自身の状況に応じた学習計画を立てやすくなることが期待されます。
試験の概要とポイント
- 介護福祉士国家試験を3つのパート(科目のグループ)に分割
- 初回受験時はすべてのパートを受験
- 不合格パートのみの再受験が可能(全パート再受験も可)
- 合格したパートは、受験年の「続く2年間」まで有効
- 有効期限内に再受験し合格すれば、対象パートの有効期限が延長
パート合格に関する注意点
- パート合格者は、介護福祉士として認定されたことにはなりません
- 配置基準や報酬加算の算定要件となる「介護福祉士」とは別扱いです
- パートごとの合格率は公表されず、従来通り国家試験全体の合格率のみが公表されます
今後のスケジュール
- 2025年度(第38回)国家試験より新制度を導入
- 2026年度(第39回)からは、受験申込書にも「全パート受験」または「不合格パートのみ受験」の選択欄が設けられる予定
新制度により、初回で一部パートが不合格でも、その後の再挑戦がしやすくなります。得意分野から着実に合格を重ねられるため、柔軟な受験計画が立てやすくなります。
一方で、最終的にすべてのパートに合格しなければ、介護福祉士としての認定は受けられません。制度の内容を理解して、計画的な学習を進めていくことが重要です。
[参考]
厚生労働省通知「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について(2025年5月27日)」
厚生労働省「介護福祉士国家試験パート合格に関するQ&A(2025年5月27日)」
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